プレーの中心に

技術と正確性と多彩な能力を兼ね備えたインテリジェントなMF。アンデル・エレーラはPSGの2019/20シーズンの最初の新加入選手となった。バスク出身のMFはその経験とビジョンの全てをPSGのプレーの中心にもたらしてくれることが期待できる。

ビルバオで生まれたエレーラは2008/09シーズンにスペイン2部のレアル・サラゴサでプロデビュー。1年目にクラブの2位フィニッシュを助けたあとトップリーグで2シーズンを過ごし、合計67試合に出場した(4ゴール3アシスト)。スペイン代表として2011年のUEFA U-21EUROでも優勝。スイスを2-0で下した決勝でゴールを挙げ、大会ベストチームにも選出された。そのパフォーマンスには故郷のクラブも目を留めた。

アスレティック・ビルバオに加入すると、すぐにチームのキープレーヤーとなった。加入1年目は、チームはラ・リーガで10位に終わったとはいえ、エレーラにとっては成功のシーズンとなった。公式戦合計54試合に出場(4ゴール10アシスト)。UEFAヨーロッパリーグでは13試合に出場(1ゴール1アシスト)し、決勝進出も果たしたが、アトレティコ・マドリーに0-3で敗れる結果となった。

ビルバオではさらに2シーズンを過ごし、退団前の2013/14シーズンにはビルバオは4位フィニッシュでUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。3シーズンで合計128試合に出場し、11ゴール18アシストを記録。マンチェスター・ユナイテッドが彼の獲得を決めるのに十分すぎるほどの活躍を見せた。

"赤い悪魔"では栄誉を積み重ね、オールド・トラフォードでアンヘル・ディ・マリアとも1年間一緒にプレーした。2016年のFAカップ優勝、コミュニティーシールド優勝に続いて、2017年にはリーグカップとUEFAヨーロッパリーグの2冠を達成。アヤックスを破ったヨーロッパリーグ決勝ではマン・オブ・ザ・マッチにも選出された。ユナイテッドでは安定した活躍を続け、在籍期間を通して年間平均38試合に出場。その期間中に記録したパス数(5911本)はユナイテッドのどの選手よりも多かった。

ユナイテッドでの5シーズンを経て、アンデル・エレーラは英仏海峡を渡りパリ・サン=ジェルマンに加入する。スペイン代表(2キャップ)でのプレー経験もある彼は、キャリア初期よりも高いポジションでプレーし、様々な異なるスタイルに適応できる能力を披露してきた。長短のパスを難なく使い分ける多彩なプレーが可能であり、ボックス・トゥ・ボックスの役割も、守備的で堅実な役割もこなすことができる。パリのクラブの確かな武器となることが期待される新たなMFのプレーを誰もが楽しみにしている。