熱狂的な声援に包まれたパルク・デ・プランスでパリ・サン=ジェルマンは、3つの素晴らしいゴールを決め、アストン・ヴィラの堅いディフェンスを破った(3-1)。パリジャンに2点のアドバンテージをもたらした第1戦を振り返る。
アンジェを相手にクラブ史上13回目のリーグ優勝を果たしてから数日後、パリ・サン=ジェルマンはチャンピオンズリーグ準々決勝の第1戦のためにパルク・デ・プランスに戻ってきた。超満員のパルクに迎え入れるのは、またもやイングランドのクラブ、アストン・ヴィラだ。絶好調のヴィランズに対し、ルイス・エンリケ監督はマルキーニョスを累積警告で欠く中、センターバックにルーカス・べラウドとウィリアン・パチョを起用した。この日キャプテンとなったアクラフ・ハキミが右サイド、左にはヌーノ・メンデスが並んだ。中盤ではヴィティーニャがジョアン・ネヴェスとファビアン・ルイスの両サイドに挟まれる形で起用された。攻撃は、ウスマン・デンベレがトップ、サイドにはフヴィチャ・クヴァラツヘリアとデシレ・ドゥエが並んだ。
試合開始直後から地元サポーターの大声援のもとパリ・サンジェルマンが試合を支配する。コーナーキックの後に右サイドでボールを受けたウスマン・デンベレが、エミリアーノ・マルティネスに初めてのセーブを強いた(8分)。活発なフヴィチャ・クヴァラツヘリアを筆頭に、最近ヨーロッパ屈指の強さを誇るヴィラの守備陣を攻略しようとルージュ・エ・ブルーが立ち向かう。相手が低い位置で守りを固めたため、パリにとっては難しい展開となるのは明白だったが、ヴィティーニャがエリアの端からシュートを放ち、相手GKを慌てさせる(23分)。パリの高い位置からの激しいプレスにより、アストン・ヴィラは自陣に押し込められる。
しかし、ボール奪取からのトランジションが武器であるバーミンガムのクラブは、ジョン・マッギンがメンデスからボールを奪うと、マーカス・ラッシュフォードにパスし、さらに抜け出したユーリ・ティーレマンスからファーポストで孤立したモルガン・ロジャースがタップインして先制する(34分、0-1)。電光石火のカウンターアタックにより、アストン・ヴィラはパリを意表を突き、不意打ちのような形でこの試合初めてのゴールを奪った。しかし、パリは簡単に諦めない。自分たちのチャンスを信じ、すぐに攻撃を再開、ハーフタイム前に1点を返す決意を見せる。そして、失点からわずか5分後、左サイドでボールを受け取ったデシレ・ドゥエが中に切り込みながら放ったシュートがエミリアーノ・マルティネスにまったく反応する間を与えずゴール右隅に突き刺さり、パリ・サンジェルマンが同点に追いついた(39分、1-1)。 パリ・サンジェルマンは素早く追いつき、試合は同点のままハーフタイムを迎えた。
後半は開始早々から動きがあり、左サイドで再びヴィラを混乱に陥れたのはフヴィチャ・クヴァラツヘリアだった。ファビアン・ルイスからパスを受けたジョージア代表は、エズリ・コンサを軽やかな切り返しでかわし、狭い角度から左足で放った強烈なシュートがゴールバーの下に決まった(49分、2-1)。この瞬間、パルク・デ・プランスはこの夜2度目の熱狂に包まれた。このまま試合を支配し続けるパリは、クヴァラツヘリア(56分)とアクラフ・ハキミ(58分)が追加点を狙うも、ヴィラがなんとか耐え抜いた。 チームとしてうまく機能しているルージュ・エ・ブルーは、3点目を狙って攻勢をかけた。右サイドから抜け出したハキミがマルティネスをかわしてシュートを決めたが、わずかにオフサイドの判定でノーゴールとなった(70分)。相手の攻撃を難なく抑えたパリは、追加点を奪うために全力を尽くした。
試合終了間際、ルイス・エンリケ監督率いるチームの努力がやっと報われた。ウスマン・デンベレの絶妙なスルーパスからヌーノ・メンデスがエミリアーノ・マルティネスをかわして右足でゴールネットを揺らしたのだ(92分、3-1)。パルク・デ・プランスに集まった観客は、アディショナルタイムでの追加点で喜びに沸いた。そして試合を巧みにコントロールしたルージュ・エ・ブルーが、そのままイングランドとの第1戦を制した。今、注目は徐々に第2戦へと移りつつある。第2戦は、海峡の向こう側にあるヴィラ・パークで開催され、同様に熱狂的な試合となることが予想される。日本時間水曜午前4時にヴィラ・パークで行われるセカンドレグ、準決勝進出まであと一歩のパリジャンは、ヴィラは巻き返しに耐えられるだろうか。カウントダウンはもう始まっている!